ぜんそく喘息についてAsthma
ぜんそく喘息治療に対する思い
喘息は切れ目のない治療が必要な慢性疾患です。
だから、しっかりと向き合い、無理なく続けられる治療と信頼関係が大事だと思います。
喘息は早期に治療を開始し、治療を続けないと症状が治りにくくなる病気です。私の身内でも喘息で悩んでいる人がいるため、本人の苦しみ、支える家族のつらさや大変さを身近で経験してきました。
だからこそ、呼吸器専門医としてのスキルと経験を活かして、喘息に悩む患者さんやご家族様の負担を減らしていけたらと思っています。そのため、喘息の症状が現れた時から専門医の適切な治療を行うことが大切ですが、中には治療を中断してしまっている症例もあり「無理なく、継続できる治療」の重要性を感じています。
喘息の状態
喘息とは気道の慢性的な炎症です。
呼吸の通り道である気道に炎症が起こり狭くなり、
呼吸が苦しくなる状態(喘息発作)を繰り返します。
喘息の人の気道は、症状がないときでも常に炎症をおこしており、健康な人に比べ気道が狭く、空気が通りにくくなっています。健康であれば平気なこともちょっとした刺激に敏感になっている状態です。
喘息の治療は毎日続けることが重要です。当院では喘息のガイドラインにのっとって治療を行います。
症状の程度によって、薬の量を調整しながら治療を行っていきます。
最終的に
「発作が起こらないようになり、健康な人と変わらない生活を送ること」を目指して治療します
咳喘息
咳喘息の特徴
咳だけの喘息が咳喘息です。
最近では最も多いご相談です。
気管支喘息のように、ヒューヒュー、ゼーゼーや呼吸困難を伴うことは殆どありません。風邪と判断される場合もあり、
「咳止めが効かない」ということで受診される方も多くいます。以下のような症状が特徴的です。
- 風邪でもないのに、
2週間以上咳が続く - 咳止めが効かない
- ある季節になると咳が続く
- タバコの煙、飲酒、会話時に
咳がでる
- 夜や朝になると咳がひどくなる、
咳がひどくて眠れない - 子どものころ喘息だった
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原因
咳喘息は、気道が狭くなることで、さまざまな刺激に過敏になって起こります。原因として多いのが、ホコリ・ダニなどのハウスダストや、室内外の温度差、花粉などです。過労やストレスによっても咳が誘発されるため普段から、過労を避け疲労を蓄積しないことも重要です。
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治療方法
咳喘息では、息を吐く時に気道が狭くなることで咳がでますので、気管支を広げる気管支拡張薬と吸入ステロイドを使います。
薬の選択については、症状を判断し最適なものをご提案させていただきます。
気管支喘息
気管支喘息の特徴
気管支喘息とは、気管支で主にアレルギーなどで慢性的な気道炎症です。
炎症により気管支が狭くなり、ヒューヒュー、ゼイゼイといった笛のような呼吸音が聞こえます。
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原因
アレルゲンという、アレルギーを起こす物質を吸入することで、気管支に免疫反応が起こり、アレルギー性の炎症が生じます。炎症が起きると気管支は狭くなり、笛のようなヒューヒューという音が聞こえます。
この他にも、運動、寒冷刺激、解熱鎮痛剤、ミントや香辛料の香りなどが原因で気管が狭くなることもあり、原因は人それぞれです。 -
治療方法
発作が起きないよう普段から使用する長期管理薬と発作時に使用する治療薬、2つを使い分けて使用します。
最終的に、発作時の治療薬を使用しなくても、喘息をお持ちでない方と変わらない生活を送れるようになることを目的としていきます。
子どもの喘息(小児喘息)
について
子どもの喘息の特徴
ゼイゼイ、ヒューヒューと音がする、咳、呼吸困難などの症状があります。
当院では、小学生以上の方を対象に小児喘息の診察・治療を行っています。
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原因
運動や風邪、ホコリなどのアレルギー物質の吸入や、気温や季節の変動で繰り返して起こる傾向があります。
※子どもの場合は、肺や気管支は成熟しておらず、風邪の場合でも、ゼーゼー音が聞こえたり、咳がなかなか治まらないことがあります。家族に喘息がいるかどうか、アレルギー検査、薬への反応性など、原因を総合的に判断します。
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治療方法
症状が一時的な場合は、発作時のみ治療を行い長期的な治療を行わないこともあります。
症状が持続する場合にはアレルギーの薬を内服したり、吸入ステロイド薬を使用したりして安定するよう治療していきます。
妊婦さんの喘息治療
妊娠中の喘息コントロールの重要性
妊娠中はおなかの赤ちゃんへの影響を心配して、薬をなるべく使用しないという方が多く、その結果喘息発作が起きることが見受けられます。実際は、喘息治療薬による母体および胎児への影響はほとんど認められず、喘息の悪化による母体、胎児の低酸素血症のほうが問題となるため、妊娠中の喘息管理が重要です。
妊娠中の喘息のコントロールが不十分だと、早流産、先天異常の頻度が増える、早産、低出生体重児などさまざまな合併症のリスクが増加するため、妊娠中もしっかり喘息の治療を受けることが大切です。
出産後はより忙しくなり、ご自身のことを後回しにしてしまいがちですが、お子さんが安心して毎日を過ごすためにも、親御さんの健康管理も大切であることをお忘れなく。