皆さんは家族性高コレステロール血症という病気をご存知でしょうか?
あまり聞き慣れない方も多いかもしれません。
家族性高コレステロール血症とは
両親の遺伝子が原因でLDLコレステロールの値が非常に高くなる病気です。胎児の時からLDLコレステロールの値が高いため、10代という若い時から動脈硬化を起こしやすく、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こす恐れがあります。
家族性高コレステロール血症の2つのタイプ
家族性高コレステロール血症には、遺伝子の組み合わせによって、ホモ型とヘテロ型の2つのタイプがあり、それぞれ病気の経過が異なります。しかし、どちらもLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の数値が正常よりも高くなるのが特徴です。
ヘテロ型
両親の片方の遺伝子に異常がある場合をヘテロ型と言います。
LDLコレステロール値は300mg/dL程度まで高くなります。
家族性高コレステロール血症のうちの大半の方がヘテロ型です。
ホモ型
両親の両方の遺伝子に異常がある場合をホモ型と言います。
ホモ型はヘテロ型に比べてさらに症状が重く、LDLコレステロールの値が600mg/dL程度まで高くなります。
ホモ型の方は非常に稀です。
家族性高コレステロール血症の判断基準
家族性高コレステロール血症は3つの判断基準があります。
1)治療前のLDLコレステロール値が180mg/dL以上ある。
特に若い方の場合や、薬を服用してもコレステロール値がなかなか下がらない方。
2)家族に家族性高コレステロール血症の方がいる、若くして狭心症や心筋梗塞を発症した人がいる。
男性=55歳未満、女性=65歳未満
3)黄色腫と呼ばれるかたまりが体にある。
特にアキレス腱にできやすく、足も太くなります。
家族性高コレステロール血症の治療方法
薬物療法
薬による治療が原則となります。
LDLコレステロール値の適切な範囲を目標とします。
生活習慣の改善
薬物療法だけでなく、日々の生活習慣も大切となります。
食べ過ぎや運動不足などにより、LDLコレステロール値が上がるのを防ぎます。
また、禁煙によって、動脈硬化の進行を防ぎます。
家族性高コレステロールは、早期発見と定期検査がとても大切になります。症状や健診結果などで気になることや不安がある方は早めに病院を受診しましょう。
当院では、各種健康診断を実施しております。