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Colmunコラム
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夏が近づくと、さまざまなところで熱中症や脱水症への注意喚起がされているのをよく見かけます。 実はすでに水分不足に陥っていても自覚しにくい「隠れ脱水症(潜在性脱水)」という状態があります。 これは、体の中の水分や電解質(ナトリウムなど)が不足しているにもかかわらず、目立った症状が現れにくい状態のことをいいます。特に低年齢のお子さんや高齢者は自分の不調をうまく伝えられないため、周囲の大人が気づいてあげることが重要です。
隠れ脱水症の初期症状は、さまざまです。 一見すると体調不良とは気づきにくいものばかりです。
・口の中や唇が乾く ・皮膚や唇の乾燥 ・尿の回数や量が減る ・頭がぼーっとする ・集中力が続かない ・なんとなく疲れやすい ・便秘気味 ・足がつる ・食欲不振や吐き気 ・微熱や体温の上昇
特にお子さんは、遊びに夢中になって水分補給を忘れがちです。 また、汗をかきにくい体質の方や、冷房の効いた室内に長時間いる方も、気づかぬうちに体内の水分が失われています。
脱水症というと、大量に汗をかいて水分が失われるイメージがあります。 しかし実際には日常生活の中でも水分は失われています。呼吸、尿、便、皮膚からの蒸発など、私たちは気づかないうちに常に水分を放出しています。 さらに、塩分(ナトリウム)も同時に失われるため、水だけを飲んでもバランスが崩れ、かえって脱水症が進行することもあります。
隠れ脱水症を予防するには、「喉が渇く前に飲む」ことが大切です。 起床時、入浴前後、運動の前後、そして就寝前など、こまめに水分をとるよう心がけましょう。特に暑い時期や発熱時、下痢・嘔吐があるときは、電解質を含む経口補水液(ORS)やスポーツドリンクの活用も有効です。 ただし、糖分の多い飲料やカフェインの多い飲み物は逆効果になることがあるため注意しましょう。 日々の食事の中でも水分や塩分を摂取することができます。 みそ汁やスープ、果物などをうまく取り入れながら、体全体の水分バランスを整えることが大切です。
隠れ脱水症は、放置すると熱中症や意識障害などの重篤な症状に進行するリスクもあります。「大丈夫だろう」と思わず、日頃から体調の変化に敏感になり、予防に努めましょう。 特にお子さんや高齢者には、周囲の見守りが欠かせません。家族全員で水分補給の習慣を見直し、暑い季節を元気に乗り切りましょう。
さぎぬま一丁目クリニックでは、火曜日と金曜日に小児科専門医の診療を受けることが可能です。 お子さんの些細な症状の変化でも構いませんので、遠慮なくご相談ください。
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